健康・快適に暮らすための⽊造⺠家改修活動(2017年受賞)

    健康・快適に暮らすための木造民家改修活動の後押しとなったのが、国土交通省の「スマートウェルネス住宅等推進事業」である。改修前の「寒い」を解消するリフォーム内容を提出することで、当社だけのエビデンスではない、広く貢献できる活動となる。

    掲載情報の概要

    ⽊造⺠家を改修する動機で圧倒的に多いのが「寒い」。それを解決する為、新和建設では断熱改修に⼒を⼊れてきた。しかし改修後、本当に「寒い」が解消されているのか不明確であり、そのエビデンスが必要ではないかと考え、健康調査や温熱環境調査を⾏い、健康・快適に暮らすための⽊造⺠家改修活動を推進している。

    作品概要

    ⽊造⺠家を改修する動機で圧倒的に多いのが「寒い」。それを解決する為、新和建設では断熱改修に⼒を⼊れてきた。しかし改修後、本当に「寒い」が解消されているのか不明確であり、そのエビデンスが必要ではないかと考え、健康調査や温熱環境調査を⾏い、健康・快適に暮らすための⽊造⺠家改修活動を推進している。

    展開性

    改修工事を考える住まい手へ、「スマートウェルネス住宅等推進事業」の説明用として独自の文書を作成。各種イベント時にお伝えする。また、地域の市民会館などでは、「住まいと暮らしの健康セミナー」を開催。新和建設のお客様だけなく、地域の一般の方々にも説明することで、スマートウェルネスを知ることとなり、その重要性も普及されることが期待できる。

    普及・啓発と日常性・一般性

    健康・快適に暮らすための⽊造⺠家改修を広める活動は、断熱改修⼯事の現場⾒学会や、スマートウェルネス住宅の⼯事を⾏ったお宅訪問、住まいと暮らしの健康セミナーや勉強会等、昨年度(2017年時点)のイベント開催は年間118回、1983⼈の参加があった。

    〈木造民家改修活動実例〉

    愛知県一宮市の住まい手の悩みは、暖房器具をつけても20℃以上にならないくらいの寒さ。これからもこの家に住み続けながらセカンドライフを満喫できるよう、断熱改修工事となりました。生活スペースも断熱材の設置やペアガラスサッシへの取替え等行ない、もちろんスマートウェルネス住宅等推進事業の補助金を受け、安心・快適に過ごせる「わが家」が完成しました。

    ※細かく区切られた和室をつなげ広い空間に。冬でも暖かいと喜ばれている。

    機能性・整合性

    健康・快適に暮らすための木造民家改修活動では、適切な改修工事を行うために重要な、工事前の建精密診断。新和建設では、自社の技術者はもちろん、第三者評価として住宅医(既存住宅の調査や診断、改修設計施工などにおける技術者)と連携し、断熱、耐震はもちろん、木造民家改修における木の組み方や含水率、防腐防蟻などの劣化、基礎の有筋無筋に至るまで、全体を網羅する調査を行い、総括的な改修工事を計画する。

    <実際の建物診断レポートの様子>

    健康調査と温熱環境測定のエビデンス

    健康・快適に暮らすための木造民家改修活動では、徹底的な建物事前調査、現況調査の結果を受け、劣化や耐震、温熱、省エネ等各性能診断判定から改修工事計画へと移る。現状の住まいで血圧等の健康調査。またサーモカメラによる室内外表面温度と温湿度計による室内外の温度測定。これを改修後も同様に行うことで、改修工事品質と住まい手の健康のエビデンスになる。

    〈温熱環境測定の結果(抜粋)〉※岐阜県O様邸における改修工事前後での温熱環境測定結果

    新規性・独創性

    新和建設では、愛知県一宮市に位置する体感と実感のモデルハウス「木美の杜(きみのもり)」でいつでも快適な温熱環境が体感できる、断熱体感コーナーをつくった。

    〈住まいの体感スタジオ「断熱体感コーナー」〉

    冬の気温に設定した空間の中に、改修前の断熱性能の家と、改修後の断熱性能の家を用意。中に入れば部屋の温度の違いを体感できる。家庭内事故の一番の原因は室内の温度差。冬暖かい住宅は家族の健康を守ることを、肌で感じてもらえるコーナーである。また、冬の窓と夏の窓が体感できたり、サーモグラフィカメラを使っての表面温度計測も可能である。

    〈住まいの体感スタジオ「木の体感コーナー」〉

    木の体感コーナーでは、木の良さについて、健康との関わりを解く。また木と鉄のの暖かさの違い(熱伝導率)や、冬の窓と夏の窓が体感できたり、サーモグラフィカメラを使っての表面温度計測も可能である。

    〈住まいのリフォーム専門体験型モデルハウス「木香の森リフォーム館」〉

    「木美の杜(きみのもり)」から車で10分程のところにある。こちらでは、改修前の実際の断熱材や白蟻に喰われた柱を使用し再現。その横には、改修後の断熱材や構造の部分を比較展示することで、住まい手に安全と安心を体感してもらう。

    掲載情報の詳細

    論文元/参考文献1
    JWDA記事編集者
    株式会社新和建設
    JWDA公開日
    2024年3月30日
    閲覧/入手/技術提供
    の方法(連絡先)
    株式会社新和建設