広報活動
木のおもてなしツアーin和歌山(取材ツアーレポート)2024年2月10日・11日 ≪1日目≫
木の国 和歌山で出会う多様な美しきウッドデザイン
自然を味わい美と文化を楽しむ、歴史を知る
世界に誇るべき財産である「森と木の文化」。かつては、木の神様が鎮まる国を意味する「木の国」が由来となって、和歌山は紀伊国と呼ばれていたことがありました。
令和の時代を迎えても、和歌山には身近なところに常に“木”があります。
今回の取材ツアーでは2日間に渡って、生活の中に溶け込んだ“ウッドデザイン”に注目。建築関係の家庭で育ち2007年度「ミス日本ネイチャー」を受賞、現役の産婦人科医としてテレビや新聞などでコメンテーターとして活躍する丸田佳奈さんとともに、「美しきウッドデザイン」のスポットを巡ってきました。
●丸田佳奈さんProfile
北海道網走市生まれ。大工の曽祖父から続く建築関係の家で育つ。日本大学医学部医学科卒業、2007年度には「ミス日本ネイチャー」を受賞。現役の産婦人科医を務めながら、幅広いメディアでのコメンテーターや講演会などで活躍する二児の母。著書に『キレイの秘訣は女性ホルモン』(小学館)、『間違いだらけの産活』(学研プラス)
公式SNS(https://www.instagram.com/kanamaruta/)
公式ブログ(https://ameblo.jp/maruta-kana/)
TVのコメンテイターとしても活躍する丸田佳奈さん
【開催概要】
日時:2024年2月10日(土)〜11日(日)
場所:和歌山県西牟婁郡白浜町、田辺市、伊都郡かつらぎ町、伊都郡高野町、和歌山市
企画:一般社団法人日本ウッドデザイン協会 木のおもてなしツアー分科会
◎1日目視察
南紀白浜空港
アドベンチャーワールド
タナベエンプラス(ウッドデザイン賞受賞作)
キャラバンサライ
紀州備長炭記念公園
道の駅水の郷日高川 龍游(ウッドデザイン賞受賞作の展示あり)
家具工房「G.WORKS」
山荘 天の里(ウッドデザイン賞受賞作)
◎2日目視察
世界遺産 丹生都比売神社
高野山千年の森(森林セラピー)
高野山宿坊恵光寺
奥之院・金剛峯寺・壇上伽藍
道の駅 くしがきの里(ウッドデザイン賞受賞作)
伊太祁曽神社
【1日目】
『視察1 タナベエンプラス』
環境保護に貢献できる「あかね材」のアイテムをセレクト
美しい木材で組まれた屋根の構造が目を引く
「縁を結び交流と共同を生み出す」をテーマに掲げ、JR紀伊田辺駅前で2020年に誕生。
木造・鉄骨造2階建の建物内に入った瞬間「あっ木だ! すごい木の香りに包まれています」という第一印象の丸田さん。建物は計画段階から、木材関係者らが参画したこともあり、外壁のみならず、フロアの床や天井の各所に紀州材が多用されています。
木材を多用し、上手く陽光を取り入れることで建物内は明るい雰囲気
また1階のショップで販売商品が並ぶラック、カフェのテーブルには「あかね材」のアイテムをセレクトしているのも特徴といえるでしょう。
地元の特産品のほか、龍神地域の木材を用いた雑貨類も販売
ちなみに「あかね材」とは、害虫による食害の跡が残った木材のこと。一般材に比べて、見た目の美しさはやや劣るものの、性能に変わりはなく、近年、エコブランド化が進んでいます。これまで商品価値がなかった「あかね材」を取り入れることで、木材の積極的な利用を促し、環境保護に貢献する。見た目よりも中身を重視、そんなSDGsを意識した取り組みです。
あかね材を用いたカフェの家具にも興味津々の丸田さん
公式サイトはこちら https://tanabe-enplus.jp/
『視察2キャラバンサライ』
梅蔵として活用されていた頃の息吹がそこかしらに
周辺も自然がいっぱい、田舎にぽつんと佇む梅蔵をリノベーション
関西を代表する名門ホテルや長野県のオーベルジュでキャリアを重ねた、更井亮介さんがシェフを務めるフレンチレストラン。扱う食材は、紀南産のフレッシュな旬菜はもとより、シカ、イノシシといった四つ足のジビエがメイン。森林や田畑を荒らす野生鳥獣は、林家や農家に深刻な被害を及ぼしており、地域ならではの食材として有効活用されることが期待されています。
上秋津産柑橘とカリフラワーの温かい前菜
建物は、更井さんの祖父から受け継いだ半世紀以上前の建物をリノベーション。もともとは農家さんたちが、梅干しを仕込んだり、梅を選別したりする作業小屋「梅蔵」で、むき出しになっている梁や柱の一部も、補強を施して再利用しています。
剥き出しになっている梁や柱の一部は補強して再利用している
「歴史とか風土とか、文化を感じます。木の使い方を本当に知っている建築家さんが手掛けられたんでしょうね」(丸田さん)
関西を代表する名門ホテルなどでキャリアを重ねた、オーナーシェフの更井さん
手作りの土壁も往時のまま、漆喰はシェフや地元の方とともに塗ったそう。素朴ながらも、梅蔵として活用されていた頃の息吹を感じさせる懐かしい趣を随所で感じることができます。メインフロアと奥の個室に備えられたテーブルと、キッチンの天板には「あかね材」を使用しているのも注目です。
「あかね材」を用いたキッチンの天板
公式サイトはこちら https://caravansarai.jp
『視察3 家具工房「G.WORKS」(道の駅水の郷日高川 龍游)』
座り心地と愛らしいフォルム、紀州材の材質を選べるアイテムもあり
標高500m以上の山岳に囲まれた龍神村に位置する工房
1997年創業の「G.WORKS」は、紀州材のみを使用した椅子・テーブルが評判の家具専門店。
工房は「道の駅水の郷日高川 龍游」の裏側にあり、今回は特別にお邪魔させていただきました。「座る人の心地よさを追求すると、自然とこのフォルムに辿り着きました」と話すのは代表の松本泉さん。
取り扱っている椅子のタイプさまざまですが、オンリーワンの魅力ともいえる愛らしいフォルム、分厚く切り取った背もたれなどの特徴は共通していて、一度腰掛けると体のラインにフィットするような座り心地に誰もが驚かされるはず。
杉のほかに、ケヤキ・ヒノキ・ヤマザクラといった紀州材の材質を選ぶことのできる受注生産型のテーブルも人気です。
幅広いレパートリーの椅子、重厚な造りのテーブルが勢揃い
「色合いが良くて繊細で美しい木目が上手くフォルムに落とし込まれている。初めて触れたのに、憧れてしまうほど素敵な家具です。自然素材なのでエイジング(経年変化)も楽しめるのが魅力だと思います」(丸田さん)
「木が持つ本来の肌触りを感じられる無垢にこだわっています」と代表の松本さん
「道の駅水の郷日高川 龍游」にはウッドデザイン賞を獲得した廣畑陽一氏が手掛けた家具も展示
公式サイトはこちら http://gworks-web.com
『視察4 山荘天の里』
新しいけれど懐かしい、豊かな自然とマッチした建物
外壁は紀州材の杉板を組み合わせているのが特徴
約6,000坪もの広さを誇る、高野山のふもとにある山間の里に佇むリゾートホテルで、周囲に広がる緑豊かな自然とマッチした建物が印象的。
館内にも木を多用していて、コンクリート造りの建物にはない温もりを感じさせてくれます。完成してからおよそ10年が経った今でも、スギ・ヒノキの芳香が心地いい空間を演出しています。
銅板が柔らかな曲線を描く、暖炉を備えた本館のロビー
2017年にウッドデザイン賞を受賞したレストランホール。
外壁は紀州材の杉板で仕上げ、各棟の合間に緑と水のランドスケープを施すなど「新しいけれど、何処か懐かしさをまとった建築」を目指して設計されているそうです。
約6,000坪もの敷地内に8つのゲストルームを備えている
館内にも木を多用していて、コンクリート造りの建物にはない温もりを感じさせてくれます。完成してからおよそ10年が経った今でも、スギ・ヒノキの芳香が心地いい空間を演出しています
リビングとベッドルームが独立したスイートルーム。半露天風呂付き
公式サイトはこちら https://amanosato.com/
◎そのほかの立ち寄りスポット
『南紀白浜アドベンチャーワールド』
パンダが暮らすブリーディングセンター屋内&屋外運動場には、紀州材のヒノキ製遊具が設置されています
公式サイトはこちら https://www.aws-s.com
『紀州備長炭記念公園 発見館』
備長炭発祥の地にあるミュージアムで、製炭の歴史や技術などが学べます
公式サイトはこちら https://www.binchotan.jp
『南紀白浜空港』
壁や階段の一部、ベンチなど、国際線ターミナルの加飾に用いられている紀州材
公式サイトはこちら http://shirahama-airport.jp
◆本視察ツアー先の詳しい内容などは『地球の歩き方ウェブ』でも掲載されていますので併せてご覧下さい。
木の国 和歌山で出会う多様な「美しきウッドデザイン」7選 Part1 | 地球の歩き方 (arukikata.co.jp)