広報活動
都市イベントで活躍した「つな木」ユニットを寄贈。能登半島地震復興支援であらたな活路
日本ウッドデザイン協会(会長:隈研吾、略称「JWDA」)は8月22日、能登半島地震の被災者支援のため、東京・丸ビルと名古屋・KITTEで開催された花粉症対策イベントの木質展示空間「サーキュラー・マウンテン」(株式会社日建設計 Nikken Wood Lab)で使用した「つな木」の循環的な利用として、石川県輪島市門前町地区に寄贈を行った。国土緑化推進機構および石川県緑化推進委員会による緑の募金能登半島地震復旧支援事業と連携した支援活動となる。
➢完成したテーブルとベンチ。コミュニティの場として活用する。
当日は、JWDA事務局関係者他、石川県木材産業振興協会、輪島市、災害NGO結、専修大学付属高校の高校生ら、ボランティアたち約20名が参加。株式会社日建設計 Nikken Wood Labの大庭拓也氏から「つな木」の組み立て方など指導を受け、日除け屋台、ベンチなどを組み上げた。
➢当日参加したボランティアメンバー。
寄贈した「つな木」は、45mm角の木材を専用クランプで組み合わせ、簡単に組み立て・解体・移設・再組み立てができる木質ユニット。市販の角材が使用できるため、軽量で持ち運びしやすく、また収納しやすいため、被災地での活躍が期待されている。
➢完成予想を想像し、力を合わせて組み上げる。
➢専修大学付属高校の高校生らもチームになって部分を組み立てていく。
現在輪島市では、仮設住宅の建設・入居が進められているが未だ避難所が開設されている状態で復興の目途がたっていない。商店街も多数の店舗が全壊・半壊となり、活気が失われ、。住民が集う場も失われている状況にあるという。
輪島市門前町では支援の窓口として「門前町連携会議」が設置されている。以前より間伐材等を使用した組み立て什器(組手什)により、下駄箱や整理棚、居住スペースの整頓などが行われてきた。今後、仮設住宅団地入居後のコミュニティ環境や商店街の復興、子どもたちの遊び環境整備など、自立及び互助のための支援が必要とされている。
➢クランプの説明を受けるメンバーたち
輪島市門前総合支所の松下明氏は「プレハブ、瓦礫や崩れた家屋などの廃材に囲まれたなか、木の温かみを感じながら皆さんが集うことができる場所はありがたく思います。今後、組み立ての簡略、簡素化を図ることで、ボランティアや住民のみでの対応も可能になると感じました。」とコメント。
大庭氏は「制作にたずさわりながら、今後の「つな木」の可能性を語り合うだけで、地域での活躍の範囲の広がりが想像できる。復興のために活用してくれたら。」と話す。
組み立てのボランティアに参加した、石川県木材産業振興協会の古谷隆明理事(フルタニランバー株式会社 代表取締役)は「みんなで力を合わせて組み上げることで、復興への意欲のための活力にもなる。今後は石川県産材も使用し、仮設住宅団地の環境整備に参加していく」と語る。
寄贈した「つな木」は今後、仮設商店街や仮設住宅団地などで集会機能としての活用が検討される。前出の松下氏は「地域の自主活動が活発化するコミュニティスペースとして屋外利用の常設化ができれば」と希望を語った。
➢石川県NEWS WEB 輪島市門前町の商店街が仮設商店街を建設し復興目指す