調査研究
JWDA調査研究部会_勉強会(埼玉開催)_飯能林産地・木製品開発企業・木造商工会議所見学
西川材林産地・原木市場・株式会社サカモト・飯能商工会議所見学会を開催!
開催概要
日時:2023年10月20日(金)10時~16時半
場所:埼玉県飯能市
参加者:11名
スケジュール
10:30~11:30 視察❶:西川林産地
11:30~12:00 視察❷:吾野原木センター
12:30~13:30 昼食
14:00~15:00 視察❸:株式会社サカモト
15:30~16:15 視察❹:飯能市商工会議所
視察❶西川林業地
埼玉県の南西部、荒川支流の入間川、高麗川、越辺川の流域は「西川林業地」と呼ばれる。江戸時代に、埼玉県南西地方から材木を筏を使って江戸に向けて流送していた為、「江戸の西の方の川から来る材」という意味から、この地方の材を「西川材」、その生産地を「西川地方(西川林業地)」と呼ぶようになった。
(スギ・ヒノキ等の針葉樹の生育に適している)
林業、木製品の製造・販売を行う有限会社創林の井上さん、森林整備の事業管理及び森林等の体験会を行う合弁会社西川Raftersの若林さんによる説明で見学。
視察❷吾野原木センター(西川材原木市場)
(株)吾野原木センターは、原木丸太の市場で毎月2回(5日・10日)にスギ・ヒノキを中心に針葉樹の競りを行っている。市場側では同じ売主の丸太のうち、特性の似た材ごとに仕分けする。(直径25cm×長さ3m)のスギ材はおよそ10千円/m3で販売されている。
視察❸株式会社サカモト
同社は、経営戦略として「なんでもする、なんでもつくる」を掲げており、木製建具、木製サッシ、耐力面材、ワーキングブースなど多種多彩な商品の設計/製造/施工が強みである。
作品
製造工程
ショールーム
視察❹飯能市商工会議所
構造材はすべて西川材のスギ・ヒノキを用い階段・手摺・家具に至るまでも構造材製造時に出た大きな端材を採用することで、西川材の多様な活用方法を示し、「西川材振興」の拠点しての機能も併せ持つ工夫がされている。
外観
サカモト製組子耐力壁採用事例
山林事業者の方と話す機会の中で、植林から伐採までの期間の長さ、鹿などの被害、雪などの自然災害、原木価格の低迷といった原木販売、現金化するまでには多くの壁があり木材業界の川上部分の課題を実感した。
原木市場で3mのスギの丸太が一本数千円という事実にはとても驚きを覚えた。30年ほど育てた丸太を販売しても採算が合わないことは明白であり、林業が補助金頼みの事業になっていることも大きな課題である。
その中でも、「西川材」の活性化に地元の皆さんは大きな努力を重ねていた。